コンプレッサーの使用例 [音楽]

■ 楽器

ギターでは音の粒(1音ごとの強さ)をそろえる場合に用いることが一般的である。圧縮が始まってから設定レシオに到達するまでの時間(アタックタイム)を調節してピッキングの音を強調することもある。 スレッショルドレベルを低く、圧縮比を高く設定すると、ギターでは同じ音量が長時間維持されるので、減衰時間を伸ばすサスティナーに近い役割をする。 ただし、コンプレッサーを強く掛けすぎると、音に歪みがでたり、音質自体が変わったり、ピッキングの音が消えてオルガンの音のようになってしまう場合もある。

なお、ギターだけでなく、ヴォーカルの収音にも頻用される。 その他、ベースやドラムなど、様々な楽器にも用いられることがある。

また、すべての楽器隊(マスタートラック、いわゆるステレオ2ミックス)、あるいは楽器単体にコンプレッサーをかけた後に音量を増幅することで、できるだけ長時間大きな音量が維持される(VUメーターが規定値から殆ど動かない、変化幅が少ない)ように使われることもある。この手法はしばしば「音圧を上げる」あるいは「音圧を稼ぐ」と表現される。 ただしマスタートラックに適用した場合、音量の最大と最小の差が圧縮される(ダイナミックレンジが小さくなる)ため、曲の強弱が損なわれて平坦になってしまうので、抑揚を聴かせる意図の曲には向かない処理である。さらにコンプレッサーを掛けることによってうるさく感じたりもするので、使い過ぎは避けたい。大幅なコンプレッション(やリミテーション)は原音に無い全高調波歪を生むため、過度の使用に注意が必要である。

■ 声

コンプレッサーは、声において歯擦音('ess' の音)を取り除くために、分岐したイコライザーで当該周波数を強調した音声信号をコンプレッサーの制御入力端子に接続して、歯擦音の周波数でのみコンプレッサーが動作するようにして使われることがある。この使用法をディエッシングという。後段増幅器の利得を予め下げないままなど不用意に動作を解除すると、たとえレベルがさほど高くなくても歯擦音は歪の原因となる可能性がある。

コンプレッションは、SSB を用いるアマチュア無線の音声通信でも用いられる。以下の用法は、複数のアマチュア無線局が遠距離の無線局と交信する好機会を得るために争う、パイルアップの時にとりわけ見出される。

送信機において

SSB信号の振幅は変調のレベルに依存するので、送信する信号の振幅の平均つまり送信出力の平均は、コンプレッションを使用しなかった場合に比べより強力になる。
自局の信号を遠距離の無線局がよりよい了解度で受信するために、あるいは、自局が送信した信号を他の無線局が送信した信号よりも目立つようにするために用いられる。コンプレッサーはマイクロフォン(の信号を増幅するアンプ)と送信機の間に挿入される。
現代のほとんどのアマチュア無線用 SSB トランシーバー(の送信機部分)には、スピーチ・コンプレッサーが組み込まれている。

受信機において

遠距離にある特定の無線局の信号を自局がよりよい了解度で受信するために用いられる。空電ノイズに埋もれる小信号の遠距離局を浮かび上がらせる効果、およびフェージングを抑制する効果がある。コンプレッサーは受信機とスピーカー(を駆動するアンプ)の間に挿入される。これらの性能は本来受信機のRF回路で得られるべきであるが、AFに復調したのちでもコンプレッサーを付加することである程度補うことができる。

コンプレッションは陸上移動の無線においても用いられ、とりわけ業務用のウォーキートーキーの音声送信において、また遠隔操作での電話の転送において用いられている。


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